辛いことも、楽しいことも、僕は思い出が大好きです。
過去に浸るのが好きですし、昔のことは全部記憶しておきたいのです。
が、人間の記憶といいますか、僕の記憶ちからがさっぱりなもんで、
大切な思いでも、時間と共に風化されてしまっているのです。
いくら、この脳媒体に全てが保存され、圧縮されていたとしても、
思い出したいことをすっと思い出せないのは寂しい気がします。

会いたい時に、会いたい人のことをたくさん、それも鮮明に思い出せたら、いくら悲しい思い出でも思い出したいのです。
僕は亡くなった母親のことを思い出しますが、それは幻の様なものです。
もっとはっきりと思い出したい。
小さい頃、母親と一緒に買い物に行った記憶も、病気だった母の記憶も霧のようで、
今現実に母親がいたらどんなに嬉しいだろうと思います。
それでも、時々思い出すことは、やはり絆でしょう。
生き別れは誰もが経験する道で、自分の命さえいつか亡くなって。

こんな悲しい世界だから、僕は生きることがとても大事なんだと思うのです。
生きていて全く楽しいことが無かったとしても、たくさんの人を傷つけながら、汚れた心を引きずり生きていても、僕はその人が生きていて良かったと思います。
僕は変な感性を持っているとよく人から言われますが、
もともと人の生きる意味なんて存在しないんですから、誰が生きていようと構わないと思うんです。

そして、今を生きる人がそれぞれ、自分なりの生きる意味を見出して、価値創造しながら生きていけば、
それが生きていて幸せということなんだと思うのです。

大好きです。世界。